2026年度薬価制度改革のポイント ― 「革新的新薬薬価維持制度」への名称変更と、海外バイオテックへの影響
2026年度の薬価制度改革で、海外バイオテックが押さえておくべき前提がいくつか動きました。名称の変更を含め、実務に効く点を整理します。
「新薬創出等加算」は名称が変わりました
2026年度薬価制度改革により、従来の「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」は「革新的新薬薬価維持制度」へ名称が変更されました。特許期間中の革新的な新薬について薬価が維持される、という制度の趣旨をより明確に示す名称です。
制度の位置づけそのものが変わったわけではありませんが、社内資料や本国への説明で旧名称のまま議論していると、当局や国内パートナーとのやり取りで齟齬が生じます。対象となるかどうかで上市後の価格推移は大きく変わるため、開発の早い段階で「自社の品目が要件を満たしうるか」を見立てておくことが、事業計画の精度を左右します。
中間年改定は継続します
業界からは廃止を求める声が続いていましたが、2027年度の中間年改定も実施する方針が固まっています。改定頻度が高い前提は当面変わらないと考えるべきです。
とくに日本を後回しにして上市した場合、外国平均価格調整や既収載品との比較の前提が、当初の想定から動いていることがあります。日本の上市タイミングは、薬事の都合だけでなく薬価の観点からも設計すべき変数です。
長期収載品の引き下げは強まる方向です
2026年度改革では、長期収載品の段階的引き下げルールがG1に一本化され、適用が従来より前倒しされました。導入品のライフサイクルを見積もる際は、以前よりも慎重な前提を置く必要があります。
実務上の打ち手
- 薬価算定方式(類似薬効比較方式/原価計算方式)のどちらを狙うかを、臨床開発の設計段階から逆算する
- 有用性加算・市場性加算などの根拠となるデータを、あらかじめ試験デザインに織り込む
- 費用対効果評価(HTA)の対象となる可能性を早期に見積もる
私たちはこれらをギャップ分析の段階で洗い出し、薬事戦略と薬価戦略を一体で設計します。個別の品目についてのご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
※ 本記事は2026年8月時点の公表情報に基づいています。制度の詳細は最新の中医協資料等をご確認ください。